産業用マーキング 製品特長 産業用マーキングお役立ちコラム なぜ今「多品種少量生産」なのか?印字の効率改善の観点から簡単に解説

なぜ今「多品種少量生産」なのか?印字の効率改善の観点から簡単に解説

公開日:2024.04.05

消費者ニーズの傾向が変化したことにより、現代の産業は多品種少量生産の時代です。しかし、柔軟な対応を優先すると生産効率が落ちてしまうことにお悩みの企業の方も多いのではないでしょうか?

本コラムでは、多品種少量生産の特徴と背景、メリットを解説いたします。多品種少量生産の課題である印字の効率化の方法もお伝えいたしますので、ぜひ参考にしてください。

多品種少量生産とは

まず、多品種少量生産について、以下3つの視点から理解を深めていきましょう。

  • 多品種少量生産の特徴
  • 多品種少量生産が注目される背景
  • 多品種少量生産のニーズが高い業界と事例

多品種少量生産の特徴

多品種少量生産とは、同じ生産・加工場所で複数種類の製品を小ロットで製造することを指します。要するに、取り扱う製品のバリエーションを増やし、さまざまな製品の在庫を少しずつ抱えておく生産方式です。あらかじめ受けた注文をもとに製造を行う個別受注生産と組み合わせられることも多く、幅広いニーズに対応できるようになります。

多品種少量生産が注目される背景

現在の日本の企業では、個々の要望に応えることに重きを置く考え方が主流です。反対に「作れば売れる」という大量消費社会だった時代には、低コストで多くの製品を製造できる少品種大量生産が一般的でした。

少品種多量生産では同じ製品を大量に製造するため、需要の予測が立てやすく、高い生産効率とローコスト化を実現していました。しかし、時代の変遷とともに人々の価値観は一変し、消費者はそれぞれ自らの好みに合致した製品を求めるようになっています。少品種多量生産では細分化されたニーズに対応できないことから、多品種少量生産に方向転換する企業が増えました。

近年は、個別受注での大量生産を行うマスカスタマイゼーションにより、ニーズへの対応と生産効率の維持を両立するスタイルも普及しつつあります。

多品種少量生産が適した業界の例

多品種少量生産方式はあらゆる業界で採用されていますが、代表例として挙げられるのは食品やファッション関係など、個人の嗜好に差があるジャンルです。また、自動車や電子機器など、顧客の要望に応じたカスタマイズが必要な業界においても、多品種少量生産が適しているといえます。

多品種少量生産のメリット

少品種大量生産と比較した多品種少量生産のメリットは、以下のとおりです。

  • さまざまなニーズへ柔軟に対応できる
  • 過剰な在庫を抱えるリスクが減る

さまざまなニーズへ柔軟に対応できる

同一商品を一律で生産するだけでは、細分化された現代のニーズに対応しきれないケースがあります。少品種多量生産で幅広い製品を製造すれば、柔軟な対応が実現し、顧客満足度が上昇するでしょう。流通量が少ないものの一定のニーズがあるニッチ市場にも参入できることから、新規顧客の獲得も期待できます。

過剰な在庫を抱えるリスクが減る

多品種少量生産では、大量の在庫を抱えておくことがほとんどありません。反対に、当初から多くの数を製造しておく少品種大量生産では、売り上げが思うように伸びなかった場合、廃棄処分する流れとなります。大量の廃棄はコストがかかるだけではなく、資源保全の観点からも問題です。多品種少量生産に切り替えることで、市場や消費者ニーズの動向に応じて生産・在庫を調整できるため、廃棄数が最小限です。

多品種少量生産の課題

多くのメリットがある一方で、多品種少量生産にはほかの生産方式と比べ以下のような課題解決が必要だといえます。

  • コストの増加
  • 生産管理の煩雑化

コストの増加

受注に合わせて製造を行う多品種少量生産では、生産回数がおのずと増えることになり、そのぶんコストがかさみます。また、複数の原料・材料を少しずつ仕入れることになるため、大量仕入れによるコストダウン効果が得られません。仕様変更によるライン組み替えの際も、数が増えるとコストが大きくなりがちです。製品が違えば、製造・管理の方法も異なるため、各部門への人員配置により人件費もかかります。

生産管理の煩雑化

多品種少量生産では、それぞれ製造の方法や過程、納期が異なる製品を取り扱うため、一律で管理できません。受注に合わせて一から生産を始めると、納品までに時間がかかることから、生産性が上がりにくいのが難点です。

多品種少量生産を効率化する方法

多品種少量生産によるメリットを活かしながら、弱点である効率の悪さをカバーする方法として、下記3点が挙げられます。

  • 受注頻度に応じて生産管理を最適化する
  • 特定の製品の在庫を一定数確保しておく
  • 段取り換えの回数・時間を削減する

受注頻度に応じて生産管理を最適化する

多品種少量生産では、いかに生産回数を減らせるかが効率化の鍵だといえます。受注内容を分析し、原価やコストを把握することで、最適な生産方法に近付けていくことが必要です。また、注文頻度の多いロットをパターン化し、その製造プロセスや人員の配置などを見直すことで、効率的な生産方法になるでしょう。

特定の製品の在庫を一定数確保しておく

多品種少量生産における生産効率をアップさせる方法として、ある程度の在庫を確保しておくことが挙げられます。あらかじめ注文・ニーズの多い製品の在庫があれば、受注状況に応じてスピーディーに対応できるためです。ただし、少品種大量生産と比べ、多品種少量生産ではニーズの把握が難しいため、予測を見誤ると多くの在庫を抱える羽目になりかねない点に注意してください。ベースパーツの在庫を確保しておき、受注内容に合わせてカスタマイズする方式なら、無駄が少なくなるのでおすすめです。

段取り替えしやすい設備・装置を導入する

製品の仕様に合わせて設備・装置を取り替えたり設定を変更したりするのは、非常に煩雑な作業であり、生産効率を下げる要因になりかねません。そこで、手軽に設置できる設備・装置を導入すれば、段取り替えの時間を短縮できるでしょう。

スタンプで多品種少量生産ラインのマーキングを効率化!

ニーズが多様化する現代においては、多品種少量生産によるきめ細やかな対応が求められています。ただ、多品種少量生産では、効率が悪くなりやすいことが弱点です。ある程度の在庫をあらかじめ確保しておくとともに、生産プロセスおよび各種設備の最適化を図り、ニーズへの柔軟な対応と効率化の双方を両立することが大切だといえます。

最も手軽に見直せる設備の一つとして、産業マーキング装置が挙げられます。印字の技術開発を進めるシヤチハタのスタンプは、多品種少量生産の現場におけるマーキングにピッタリです。生産ラインにおける効率化・ローコスト化に関するお悩み解決に最適な方法を提案いたしますので、ぜひ一度お問い合わせください。