産業用マーキング 製品特長 産業用マーキングお役立ちコラム 【サンプル】金属(ステンレス・アルミ・鉄)にきれいに印字・マーキングする方法とは?

【サンプル】金属(ステンレス・アルミ・鉄)にきれいに印字・マーキングする方法とは?

公開日:2024.01.11

金属印字に適したインクの選び方や金属印字の方法をわかりやすく解説!

金属などのインク(インキ)を吸収しにくい素材に印字(マーキング)する際にはいくつか注意すべきポイントがあります。
この記事では、金属印字に適したインクの選び方や金属印字の方法をわかりやすく解説します。
ステンレス、鉄、アルミなどの金属製品に日付やロット番号、製造場所などの印字をしたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。

金属への印字に適しているインク(インキ)の特徴

金属にきれいに印字するには、まずインク選びが重要となります。
金属の印字に適したインクの特徴は以下の通りです。

速乾性がある

油性インク(インキ)と呼ばれる溶剤が使用されているインクを使用することで金属面への印字が可能になります。金属用のインクには速乾性が求められるケースが多く、1分以内など短時間で乾燥します。速乾性のあるインクは金属のほかにもガラス、プラスチックなどの素材への印字に適しています。ただし、速乾性のある揮発性の高いインクは器具への固着(動作不良の原因になります)やインキかすれ(生産ロスに繋がります)が発生しやすいので、その点を対策してある製品と組み合わせて使う必要があります。

視認性が高い

黒など濃色の製品に印字する場合には、内容がはっきりと読み取れるように印字する必要があります。視認性が低いと画像検査装置が印字箇所を認識できない可能性もあるため注意が必要です。濃色の製品には白や黄色のインクで印字することで視認性を高めることが可能です。

耐熱性がある

金属への印字は製造工場などで使用される事が多いため、耐熱性も重要です。捺印後に熱処理を行う場合は、処理後も高い視認性を維持できるインクを選択しましょう。

金属に印字する方法

次に金属に印字する方法について解説します。主な印字方法は3種類です。

レーザーマーカー

金属の表面を削って印字を行います。永久印字が実現できますが、削った箇所から腐食や錆が発生することがあるため、対策が必要です。

産業用インクジェットプリンタ

製品に直接インクを噴射するため、製品に傷をつけることなく印字することができます。永久印字はできません。

スタンプ(スタンパー)

導入費用やメンテナンス費用があまりかからないため、コストを抑えて印字することができます。導入が手軽で誰でもすぐ使えるというメリットもあります。ハンディタイプのスタンプでの作業には人手が必要ですが、機械と組み合わせることで作業を自動化できるスタンプもあります。機能を絞れば低予算でも印字の自動化が可能です。

金属印字にスタンプ(スタンパー)を活用するメリット

大規模な工場で商品を大量生産する場合、通常はレーザーマーカーや産業用インクジェットプリンタを使用して印字されます。しかし、多品種少量生産の商品に印字する場合や小規模工場では、手軽に導入できるスタンプが適していることもあります。

金属印字にスタンプを活用するメリットは以下の通り。
・コストがかからない
・省スペース
・メンテナンスが簡単
・誰でも簡単に扱える
・凹凸面への印字も可能

レーザーマーカーや産業用インクジェットプリンタは高機能ですが、導入やメンテナンスのコストが高額になりがちです。そのため、印字の用途や予算に合わせて適切な印字機器を選ぶ必要があります。識別マークや日付などの単純な印字の場合、スタンプで十分です。スタンプは高機能な機器に比べてコストが低く、大幅に経費を削減できます。

金属印字用のスタンプ(スタンパー)を選ぶ際のポイント

金属印字にスタンパーの導入を検討している方のために、金属印字に適したスタンパーの特徴をまとめました。スタンプを選ぶ際に参考にしてください。

耐久性が高いスタンプを選ぶ

製造現場で金属面に印字する場合、スタンパーには高い耐久性が必要です。おすすめは金属製のスタンパー。厳しい環境での連続印字に耐える強固さがあります。耐久性の高いスタンプを採用することで故障の頻度が下がるので、産業用に製造された頑丈なスタンプを選ぶと良いでしょう。

安定性が高いスタンプを選ぶ

金属印字に適した速乾性のインクは、スタンパーのゴムとパッド部の間に気密性がないとすぐに乾いてしまいます。インクが乾くと印字がかすれがちになり、生産ロスに繋がります。ゴムとパッド部の間が密閉されているスタンパーを選び、安定して高品質な印字を連続で行えるようにすると良いでしょう。

補充回数が少なく作業効率性が高いスタンプを選ぶ

1時間に1回など、インクの補充作業が頻繁に発生するスタンパーでは稼働率が下がってしまいます。インクの補充回数が少なくて済むスタンパーを選びましょう。

まとめ

速乾性がある油性インクを選び、耐久性・安定性共に高いスタンパーと組み合わせて使うと金属にきれいに印字することができます。また、濃色の製品に印字する場合は白や黄色などの視認性が高いインク、捺印後に熱処理を行う場合は耐熱性があるインクを選びましょう。シヤチハタでは金属面の印字に適したインキとスタンプ(スタンパー)を取り扱っています。

様々な金属印字の用途に対応可能!シヤチハタのTATインキ

シヤチハタのTAT(タート)インキ(旧商品名:不滅インキ)は揮発性のインキですので速乾性が求められる金属への印字に適しています。TATインキの超微細粒子は金属などのインキを吸収しにくい素材にもしっかりときれいな印影を残すことができます。速乾性や視認性など、金属印字に求められる用途は幅広いですが、TATインキなら豊富なラインナップから用途に合わせたインキを選ぶことができます。
インクカラーも豊富にご用意しているため、金属に高いコントラストで印字したいというニーズにも対応可能です。タイヤなどの濃色な素材への捺印が可能なスペシャルタイプ[K2](受注生産インキ)もございます。また、TATインキはELV規制・RoHS指令等の国内外の法律で製造禁止、使用禁止の化学物質を使用していないため、安心してご使用いただけます。

TATインキでは、素材・対象物にあわせたインキを多数ご用意しているため、金属類以外にも様々な素材にきれいに印字することが可能です。TATインキで印字可能な素材は以下の通りです。
・皮革類
・木材
・プラスチック類
・ゴム
・金属類(アルミニウム・鉄・ステンレス・真鍮・メッキ製品等)
・塗装面
・ガラス陶磁器
・紙類
・布類

このほか、特殊な素材に印字する場合や印影に二次加工を施す場合に適したスペシャルタイプのインキもございます。まずは一度ご相談ください。

金属にきれいに連続印字可能!シヤチハタのスタンパー

インクの付着が多すぎると文字がつぶれ、逆にインクの付着が少なすぎると文字がかすれるため、スタンパーで安定してきれいな印字を続けることは難しいものです。そこでシヤチハタのスタンパーは印面が反転し、その都度インキを拾う方式を採用。連続印字を行っても安定した印字品質を維持できます。印字待機時にはパッド部の気密性が確保される構造になっているため、長時間インキが乾くことがありません。さらにインキカートリッジを簡単に取り外してインキ補充ができるため製品が汚れにくくなっています。

シヤチハタのマーキング専用スタンパー(TAT金属印)は、金属だけでなくプラスチックやゴムなどの素材に簡単にマーキングできます。連続印字可能回数は約1500回なので、インクの補充を頻繁にしなくても大丈夫です。また、キャップなしでも乾燥しないため、キャップの取り外しも不要で、作業効率も非常に高いです。曲面や凹凸面にも印字でき、エアシリンダを備えたユニットにスタンプを取り付けると簡単に自動印字ができます。

シヤチハタのスタンパーは国内の自動車メーカーや大手部品メーカーで幅広く使用されており、金属印字のコスト削減や工数削減を求める方におすすめです。シャチハタの技術が詰まったスタンプをぜひご検討ください。
金属への印字は、印字対象物の材質によって発色などが変わります。印字内容や印字対象物の素材、使用環境などをヒアリングして最適なインクとスタンパーをご提案させていただきます。まずはご相談ください。

WRITER
木山 貴雄
シヤチハタ株式会社 システム開発部
大手PCメーカーのサポート業務や大手自動車メーカーでの社内SEを経験後、2005年シヤチハタに入社。シヤチハタフォントの開発・Web受注システムの開発を経て現在はソフトウェア開発部門に所属する。